皆さん、こんにちは。
今回はETUSUSの地震対策についてお話しします。

能登半島地震を教訓に、地震への備えを見直す
2024年1月に発生した能登半島地震(震度7)は、北陸に暮らす私たちにとって、地震は日常と隣り合わせであるという現実を突きつけました。
さらに先日、日本海富山沖の海域活断層でも、「今後30年以内にM7以上の地震が発生する確率が16〜18%」と発表され、非常に高い水準にあることが指摘されています。
こうした現実に対して、エツサスが重視するのは、構造を“部分最適”ではなく“全体最適”として捉える視点です。単に耐震等級の数値だけで語るのではなく、「地盤」「基礎」「躯体」を三位一体で設計することが、重要であると考えています。
住宅の耐震性を高める“構造全体”の視点
「地盤・基礎・躯体」の三位一体設計
耐震等級や構造躯体の強度だけでは、本当に安心できる住まいとは言えません。地震に強い家を実現するためには、地盤・基礎・躯体の三つを一体として捉えた設計が欠かせません。
たとえ耐震等級3を取得した構造体であっても、地盤が軟弱であれば揺れは増幅しやすくなり、基礎や躯体に過度な負担がかかることで、構造全体のバランスが崩れるおそれがあります。
このように、どれか一つの要素に問題があれば、建物全体としての耐震性能は十分に発揮されません。
エツサスでは、地盤改良設計・基礎設計・躯体設計をすべて連動させ、三位一体で検討することで、構造全体として最適なバランスを追求しています。
部分的な強さではなく、全体として揺れに強い構造をつくる。それが、エツサスが考える“本質的な耐震設計”です。
地盤|揺れやすさを見える化し、地震リスクを未然に防ぐ
エツサスでは、従来のSWS試験に加え、微動探査による地盤調査を実施。地震時の地盤の揺れやすさを「見える化」しています。

さらに、調査により得られた地耐力の数値を、上部構造(基礎・躯体)の設計に的確に反映。単に安全を担保するだけでなく、過剰な補強を避け、コストと性能のバランスが取れた合理的な設計を実現します。
環境面でも、セメントを使用しない天然砕石によるスクリュープレス工法を採用。地中に産業廃棄物を残さず、将来の解体・更新まで見据えた、持続可能な地盤改良を行っています。 ※地盤調査結果によっては他工法を採用する場合があります

基礎|湿気と構造リスクに備える北陸仕様
北陸の住宅においては、高い湿気への対応も構造設計において重要な課題です。エツサスでは、通気性と点検性に優れた立ち上がりの少ない独自の基礎形状を採用。床下環境を良好に保ち、構造の腐朽リスクを軽減しています。

また、基礎設計では地盤の支持力と建物の荷重バランスを踏まえた構造計算を行い、人通口の配置や補強位置にも配慮。見えない部分こそ丁寧に設計し、全体として耐震性を高めています。

さらに、コンクリート打設前には第三者機関による配筋検査を実施。設計と施工の両面で品質を確保し、信頼性の高い基礎構造を実現しています。
躯体|耐震等級3+モノコック構造による一体化
エツサスの家は、全棟で「耐震等級3」を取得したプレウォール工法を採用。柱と壁が一体化したモノコック構造により、地震の揺れに対して高い剛性と粘り強さを発揮します。
特に繰り返しの揺れに強く、力を分散しながらしなやかに耐える構造となっており、倒壊リスクを大幅に低減します。

加えて、代表的な間取りプランについては、Wallstat(ウォールスタット)による構造シミュレーションを実施。実際の地震波を再現し、揺れによる変形や損傷の発生箇所を可視化することで、より確かな構造設計を実現しています。
強度・コスト・環境の3要素を両立するエツサスの耐震設計
エツサスの地震対策は、「強度」「コスト」「環境」の3つの観点から最適化されています。
〈強度〉
許容応力度計算によって三位一体の構造バランスを数値で裏付け。最適な強度設計を追求。
〈コスト〉
必要な箇所に、必要な強度を。材料や施工の無駄を省きつつ、性能は担保する設計で、コスト効率も追求。
〈環境〉
セメントを使わない地盤改良工法、湿気対策を施した基礎構造により、環境への配慮と長寿命化を両立。
まとめ|“全国一律”ではなく、“北陸に最適化された構造”を
住宅の構造は、地域の気候や地盤条件によって求められる性能が異なります。大手メーカーが採用する全国一律の仕様では、北陸のような積雪・高湿度・地震リスクの重なる地域にとっては不十分です。
エツサスでは、北陸の気候や風土を熟知したうえで、地盤改良設計・基礎設計・躯体設計を最適化。耐震等級の数値だけに頼らず、“構造全体のバランス”にこだわった住まいづくりを追求しています。
目指すのは、建築基準法が想定する「一度の大地震に耐える家」ではありません。「積雪のある状態で繰り返し襲う大地震に耐え続ける家」をつくること。それが、エツサスの責任であり、使命です。