皆さん、こんにちは。

前回のブログでは、「HEAT20 G2(UA値0.34以下)」という断熱性能が北陸の気候に最も適した快適基準であることをお話ししました。今回はもう一つの性能軸、「耐震等級3」についてお伝えしたいと思います。

能登半島地震以降、耐震等級3の住宅が増加している
2024年の能登半島地震をきっかけに、北陸では耐震等級3の住宅が増加しています。今や“耐震等級3”は特別な性能ではなく、多くの住宅会社が標準仕様として掲げる時代になっています。
だからこそ、これからの家づくりでは、「等級3かどうか」よりも、“どんな根拠で等級3を実現しているか”が大切です。
同じ“耐震等級3”でも中身が違う
耐震等級3には、2つの取得ルートがあります。
ひとつは「性能表示(壁量)計算」、もうひとつは「許容応力度計算」です。
性能表示(壁量)計算は、建築基準法の壁量規定に基づく簡易的な計算で、図面上で壁の長さと配置をチェックし、必要量を満たせば“等級3”と認められます。計算が容易で手間がかからないため、コストも低く済むというメリットがあります。
しかしこの方法では、地震時に各部材にどのような応力がかかり、建物がどれだけ変形するかまでは解析されません。つまり「最低限の安全性」を確認する計算なのです。
許容応力度計算は“科学的に安全を証明する”
一方で「許容応力度計算」は、建物にかかる地震力・風圧力・積雪荷重などを力学的に解析し、柱・梁・壁・基礎などに生じる応力をすべて数値で検証します。
どの部材に、どれだけの力が作用し、それが許容範囲内に収まっているかを解析する。つまり、経験ではなく科学的根拠で“強さ”を証明する方法です。
同じ耐震等級3でも、許容応力度計算による建物は、地震時の建物の変形量まで検証されており、構造的な裏付けをもって「地震に強い家」を証明しています。
公共建築と同じ安全基準を、すべての住宅に
許容応力度計算は、鉄骨造の建物では当たり前に行われている計算方法で、学校や庁舎などの公共建築では安全性を確保するために必ず用いられています。多くの人命を守るうえで欠かせない基準だからです。
エツサスでは、この公共建築と同等の構造安全基準を一般住宅にも採用しています。「家族の命を守る住まいこそ、公共建築と同じ信頼性を担保したい。」そんな思いを、すべての家づくりに込めています。
プレウォール工法がもたらす“数値を超えた安心”
さらに、エツサスが採用するプレウォール工法には、計算上の数値以上の“実際の強さ”があります。
壁と床を面で一体化して支えるモノコック構造に加え、構造用面材を枠材で挟み込む“真壁サンドイッチ構造“とすることで、地震の力をバランスよく分散し、繰り返しの地震に対しても高い復元力を維持するのがプレウォールの特徴です。
これは、一般的な構造計算で評価される「一回の地震」だけでなく、実際の地震現象である「何度も繰り返しくる地震」においても、実験で確認された“プラスの安全性”として働いています。
つまり、プレウォールの家は「計算上の強さ」を超えて、実際の災害で強さを発揮する家なのです。

HEAT20 G2 × 許容応力度計算
エツサスの家は、断熱性能と耐震性能の両立を基本にしています。
断熱性能はHEAT20 G2(UA値0.34以下)を標準とし、耐震性能では許容応力度計算による耐震等級3を全棟で実施しています。
「快適さ」と「強さ」を高いレベルで両立すること。それこそが、厳しい冬と高い湿度、積雪といった北陸の気候の中で、生涯安心して暮らしていくために欠かせない住宅性能だと考えています。
まとめ
耐震等級3が当たり前になった今、重要なのは「どんな根拠で構造設計されているか」です。
エツサスはこれからも、許容応力度計算+プレウォール工法による確かな耐震性能を、すべての住まいにお届けしていきます。